第一回「マルチスケール輸送現象の解析」研究専門委員会 議事録
日時:平成14年7月26日(金) 13:30〜16:30
場所:富士総合研究所 別館2階 大会議室22
出席:25名
大橋主査(東京大学)、陳 幹事(東京大学)、長崎幹事(東京大学)、松隈幹事(九州大学)、河野幹事(富士総合研究所)、高田幹事(産業技術総合研究所)、丸山幹事(原子力発電技術機構)、渡辺幹事(日本原子力研究所)、小泉委員(工学院大)、田中委員(茨城大)、中台(氏田委員)代理(原子力発電技術機構)、梶本委員(原子力発電技術機構)、茶木委員(日立製作所)、横堀委員(東芝)、白川委員(東芝)、村瀬委員(原子力安全システム研)、北山委員(原子力発電環境整備機構)、植田(梅木)委員代理(原子力発電環境整備機構)、小沢委員(エネルギー総合工学研究所)、大島委員(核燃料サイクル開発機構)、森 委員(東京電力)、加藤委員(東京電力)、川原委員(CRCソリューションズ)、久保田(三橋委員)代理(富士総合研究所)、伊藤オブザーバー(富士総合研究所)
配布資料
(1)専門委員会設置に関する趣意書
(2)委員名簿
(3)講演資料:「シビアアクシデント時の溶融炉心冷却に関連する熱流動」
(4)講演資料:「原子力に関連した複雑流動に対する格子ガスオートマトン法の適用例」
議事:
1.設立趣旨説明
配布資料(1)に基づき、本研究専門委員会の設立趣旨について渡辺幹事より説明がなされた。また、配布資料(2)の確認と各幹事・委員の自己紹介が行われた。
2.活動方針審議
大橋主査より、設立趣旨と今後の活動方針に関する基調説明がなされた。これまでの流体解析を背景とした、より複雑な流れの解析への方向性と、複雑で多様な流れにおけるミクロ・メゾ・マクロというマルチスケールに関する考え方の説明がなされた。
3.講演「原子力に関連した複雑流動に対する格子ガスオートマトン法の適用例」(松隈幹事)
ミクロスケールとマクロスケールの中間領域に位置するメゾスケールの解析手法である格子ガスオートマトン法(LGA法)の基礎モデル及びその特徴とマルチスケール解析における位置付けの説明が行われた。複雑形状を記述する事が容易であるという特徴を元に、二成分の自発的な相分離が計算可能なLGA法であるILGモデルを用いた、地下帯水層のような複雑形状を有する流路の作成手法の提案とその内部流動・物質移動の予測例が紹介された。また、大変形を伴う二相界面を数値的な破錠なしに追跡することが容易であるという特徴を元にした、三次元ILGモデルによる、蒸気爆発時に想定されている液滴微粒化と蒸気膜崩壊の素過程の解明への寄与についての解説が行われた。あわせて、LGA法の課題と今後の展開に関する質疑が行われた。
4.講演「シビアアクシデント時の溶融炉心冷却に関連する熱流動」(丸山幹事)
シビアアクシデントとアクシデントマネジメントについての定義と、シビアアクシデント時に発生する諸現象についての概略が説明された。特に、水蒸気爆発に関する機構論的なモデルと解析コードに基づき、「炉心溶融条件」、「粗混合・床面堆積過程」、「トリガリングモデル」、「伝播・膨張過程」というステップ毎に解説が行われた。また、圧力容器内の溶融炉心保持に関連する熱流動現象として、下部プレナム内での内部発熱流体乱流自然対流、ギャップ内冷却水侵入解析に関して関連実験とCAMPコードによる解析事例の比較紹介が行われた。