炉心・燃料・機器の合理的な熱流動評価・開発手法調査専門委員会
炉心・機器熱流動評価分科会
第4回委員会議事録

日 時:平成18年9月11日,午後1時30分〜午後4時30分
場 所:日本原子力学会会議室
出席者:山本泰(東芝)、湊明彦(日立)、堀田亮年(TEPSYS)、松浦敬三(原燃工)、吉田啓之(JAEA)、上原靖(NUPEC)、大貫晃(JAEA)、奈良林直(北大)、後藤正治(東電・森代理)、宇津野英明(JNES・笠原代理)、工藤義朗(GNFJ)、阿萬剛史(TEPSYS)、坂場弘(三菱重工)、村瀬道雄(INSS)、綿田雅之(関電)、米田公俊(電中研)、大川富雄(阪大) 以上17名

1.「多次元二相流構成式に関する評価」調査委員会・報告書について
 標記調査委員会報告書の発行形態について議論し、以下の通りにすることと決定した。
(1)著作権に関する追記を行うなどを除き、原稿本体は概ね原案通りとする。
(2)大部となったことから、印刷は行わず、PDFファイルを部会のホームページからダウンロードできる形式とする。ただし、パスワードを設定することにより、配布範囲を熱流動部会員に限定する。
(3)本報告書を利用した講習会の開催等について今後検討を行う。

2.「核熱水力安定性評価手法の高度化(重要物理プロセスとコード適用性評価法)」
堀田亮年委員(テプコシステムズ)
 経済産業省公募事業(革新的実用原子力技術開発費補助事業)で実施中の研究テーマ「超高出力密度炉心ABWRプラントの実用化に向けた技術開発」に関連し、(1)最適評価コードと不確かさ評価の構造、(2)既往の安定性PIRT議論に見るPIRT構築の道筋、(3)核熱水力安定性評価手法高度化のためのPIRTの作成、(4)評価方法に関する見通しについて報告がなされた。本報告に関連し、(1)PIRT作成の際、専門家による意見の食い違いを解消するため、合理的な意思決定のルール作りが重要となる可能性があること、(2)個々の相関式は精度不十分であっても、全体としては妥当な予測結果を与えることが往々にしてあることから、予測手法の評価対象を細分化することの合理性は必ずしも成立しない可能性があること、(3)個別効果試験と総合試験の両方を実施していくことで予測手法の信頼性を高めることがきわめて重要であることなどが議論された。

3.「二相流中構造物の振動評価手法の開発及び過渡三次元二相流解析の検証に必要な試験データについて」
湊明彦委員(日立製作所)
 経済産業省公募事業(革新的実用原子力技術開発費補助事業)で実施中の研究テーマ「連成解析による気液二相流中構造物の振動・腐食評価手法の開発」に関連し、(1)二相流中構造物の振動評価手法の開発および(2)過渡三次元二相流解析の検証に必要な試験データに関して報告がなされた。本講演に関連し、(1)多次元解析で気液二相流の過渡特性を検討する場合の計算負荷の問題、(2)きわめて詳細な実験データを高温・高圧の水・蒸気系で整備することは困難であることから、取得できる実験データの外挿性の問題、(3)時間変動特性に関する解析結果の妥当性を検討する場合に必要となる統計データの整備状況が十分でなく、また有効な妥当性見当を行う上で統計データが具備すべき条件等について意見交換を行った。

以上