第1回「原子力プラントにおける火災や燃焼化学反応を伴う熱流動問題」研究専門委員会議事録

平成13年622()  東京工業大学原子炉工学研究所会議室
          (出席
28名)

議事

(1) 軽水炉の火災PSA概要 (福田委員)
  NUPECにおける火災PSA手法の整備計画、手法の概要、評価結果の概要の説明があった。平成12年度迄に手法の高度化が終了し、平成13年度以降はPWRプラントとBWRプラントの代表プラントに対する試解析を実施する予定である。火災PSAでは、空間相互作用解析により火災シナリオを設定し、火災シナリオに対する炉心損傷頻度評価を行ない、シナリオのスクリーニングを行なう。更に安全上重要なシナリオに対し、サブシナリオを設定し、影響低減因子を評価する。空間相互作用解析では、火災を想定する機器の特定、対象火災区画の火災苛酷度を評価する。平成9年度に主要な区画の火災による炉心損傷頻度を計算した結果、米国の火災苛酷度因子を利用すると過度に保守的な結果が得られるため、α-FLOW, COMPBRN-V/INSを用いて国内版苛酷度因子を作成した。今後代表プラントについて試解析を実施する予定。

(2) 国内軽水炉を対象とした火災PSAに使用する火災苛酷度因子の開発 (NUPEC・内田剛志氏)
 火災苛酷度因子評価の研究計画、苛酷度因子評価の流れ、α-FLOWCOMPBRN-Veを用いた火災進展の解析のモデル、解析結果と実験結果の比較の概要、評価の結果得られた苛酷度因子のサンプル、苛酷度因子に影響を与える換気率・オイルパン面積・燃料油量について説明があった。α-FLOW燃焼モジュールとCOMPBRN-V/INSは補機油火災時のターゲット温度を良く再現し、これらのコードを使った火災進展解析により苛酷度因子を評価することが可能である事が示された。

(3) 再処理施設確率論的安全評価手法の整備 (NUPEC・遠藤秀俊氏)
 再処理施設における異常発生時の安全確保の方策、確率論的安全評価対象候補事象、セル内火災事象に関する事象進展シナリオ、PHOENICSを用いたセル内火災事象詳細解析コードの整備状況として渦消散モデルによる乱流拡散火炎等のモデルの組み込みに関する検討状況の説明があった。コード整備のポイントはセル内の3次元解析の実施、できるだけ基本的な物理・化学挙動でのモデル記述である。渦消散モデルによる乱流拡散火炎、渦崩壊モデルによる乱流拡散火炎、アレニウス型の反応速度式を燃焼速度式とする相流拡散火炎、溶媒蒸発、燃焼熱移行及び輻射、熱移動(気相−液相、セル内−セル外)、セル内煤煙挙動、気相成分の拡張、セルへの吸気及びセルからの排気、水相の沸騰現象、消火設備による火災検知・消火ガス放出・鎮火、セルへの給気及びセルからの排気における給・排気特性とダンパーの開閉動作について検討を行なった結果では、いくつかの問題点はあるもののモデルを組み込むことは可能であるとの説明があった。

(4) 消防研究所における原子力予算による研究 (鶴田委員)
 消防研究所輯報、火災誌に掲載された原子力に係わる報告事例、国立機関原子力試験研究費による研究の説明があった。また、火災発生事例において原因となったヒューマンエラーの紹介、窒素雰囲気中で高温ナトリウムが鎮火した筈の残さの主成分である酸化ナトリウムと接触すると急激な反応を起こすといったナトリウムの燃焼現象の紹介があった。

次回 9月11日(火)

以上