第10回「原子力プラントにおける火災や燃焼化学反応を伴う熱流動問題」研究専門委員会
平成15年12月2日(火) 東京工業大学・北1号館1階会議室 出席者 16名
議事
(1)「高温ガス炉の安全設計方針、評価方針」 原研 国富一彦氏
原研が中心となって開発が進められている高温ガス炉(GTHTR300)の安全設計・安全評価について講演があった。高温ガス炉の安全設計上の重要コンポーネントは、被覆燃料粒子・格納建屋・炉容器冷却設備である。安全評価上の特徴としては、設計基準事象として評価すべき範囲を10-8/yまでの考慮・メカニスティックソースタームの採用・設計基準事象において燃料最高温度1600℃以下・燃料の有意な酸化無し・シビアアクシデントフリー等が上げられる。設計基準事象としては、大口径配管の両端破断を考慮している。配管破断事故時の化学反応に関しては、黒鉛燃焼は起こり得ない、また燃料の酸化はわずかであると評価される。
(2)「シビアアクシデント時の水素対策」 荻野委員
シビアアクシデント時の水素発生と水素燃焼による格納容器の健全性への影響やAM効果に対しては、水素混合試験・燃焼挙動試験等の実験を通して実炉適用の観点から多くの知見が得られている。水素燃焼挙動は、水素ガス組成や濃度だけでなく雰囲気条件、自由体積、区画形状やスプレイ設備等のプラント固有の特徴に依存している。国内では、次世代型軽水炉を対象として、格納容器設計民間自主基準が設けられ、AM策に対する基準を定めており、プラント固有の特徴を考慮したシビアアクシデント時の水素対策が設定されている。
次回委員会 1月16日
以上