第2回「多次元二相流構成方程式に関する評価」調査専門委員会議事録(案)

 

日 時:平成13年7月13日(火)、13:30〜17:00

場 所:東電別館405会議室

 

出席者:

 

片岡(阪大)、森(東電)、秋本(原研)、池田(NUPEC)、浦田(関電)、飛田(JNC)、奈良林(東芝)、児玉(原燃工)、村瀬(INSS)、米田(電中研)、戸井(構造計画研究所)、大貫(原研)、大川(阪大、記録者) 以上13名

 

配布資料

 

2−1    議事次第

2−2    第一回委員会議事録

2−3    多次元二流体モデルによる大口径管内気泡流・スラグ流のモデリング

2−4              Euler-Lagrangeモデルによる鉛直管内気泡流の数値解析

2−5    今後の調査活動の進め方について

 

議事

 

1.委員の追加について

 片岡委員長より、大貫晃氏(日本原子力研究所)を新たに委員として追加することが提案され、全会一致で承認された。

 

2.多次元二流体モデルによる大口径管内気泡流・スラグ流のモデリング(大貫委員)

 二流体モデルによる気泡流の多次元解析は各所で実施されているが、既存の解析は主に小口径管を対象としているために、大口径管内の流れを解析する場合には特に乱流拡散モデルにおいて口径の影響を適切に考慮する必要があることが報告された。本講演に関連して、抗力、揚力、乱流拡散力、界面積濃度等に関する構成式の詳細、液速度場や界面積濃度などのボイド率以外の物理量に関する実験と計算の比較等について討論が行われた。今後の課題としては、管口径が大きい場合のデータは不足しているために解析に用いた構成式の汎用性についてさらに検討の必要があること、チャーン流等のよりボイド率の高い流れに対する構成式の整備が必要であることが述べられた。

 

3.Euler-Lagrangeモデルによる鉛直管内気泡流の数値解析(大川委員)

 標記二相流モデルにより気泡流の数値解析を行う場合に、気泡に作用する力を記述するための構成式が提案され、静止水中・乱流中における単一気泡挙動および気泡流相分布の実験解析による妥当性検討結果が示された。特に、液速度が大きい場合には、気液間相対速度に及ぼす壁近くの急峻な液相速度勾配の影響を正確に評価する必要があることが強調された。また、気泡のクラスタリングなどの気泡間相互作用に関するモデルの高度化が今後の課題である旨が述べられた。本講演に関連し、気泡揺動運動のモデリングの詳細および多次元二流体モデルにおける乱流拡散力との関連、高液速条件におけるせん断乱流の影響等について討論がなされた。

 

4.今後の進め方について(片岡委員長)

4.1 スケジュールの確認

  平成16年8月までの残り約3ヵ年における活動計画の概略が示され、承認された。(スケジュールの詳細については資料2−5参照)

4.2 ワーキンググループの設置について

 二相流現象はきわめて多岐にわたる。このため、片岡委員長より、何らかの方針に基づいて現象分類を行い、各分類についてワーキンググループ(WG)を設置することにより作業の効率化が図れるとの意見が出された。この考えに基づき、資料2−5に示される分類案が示された。これは、流動様式および原子炉事象に関する観点を併用し、さらに解析モデルからの観点を加えたもので、計7つのWGから構成される。WGの設置について交わされた主な意見を以下に列挙する。

 

¡        WGの境界、位置付けの明確化が必要(村瀬委員)

¡        他の委員会や出版物との関連について調査が必要(秋本委員、片岡委員長)

¡        コード提供の可能性について検討してはどうか(村瀬委員)

¡        委員会の活動をある分野に集中してはどうか(秋本委員)

 

WGの構成については大方の合意がとれ、各WGのメンバー構成について以下の一次案が作成された。なお、WGの構成・メンバーの最終案および具体的な活動内容については、委員間の協議により今後検討を詰める。

 

(1)流動様式に関するワーキンググループ

¡        気泡流・スラグ流(○大貫、堀、米田、大川)

¡        環状流・環状噴霧流・噴霧流(松浦、○村瀬、三島)

(2)原子炉事象に関するワーキンググループ

¡        サブチャンネル解析(ニノ方、○秋本、堀田)

¡        シビアアクシデント(飛田、○池田、阿部)

¡        原子炉過渡事象(○森、奈良林、宮越)

(3)解析モデルに関するワーキンググループ

¡        解析方法(○湊、冨山)

¡        既存コード(○藪下、戸井)

 

5.次回委員会について

 次回委員会は9〜10月頃の開催とし、環状噴霧流の構成式に関して調査・検討を行う。

 

以上