第6回 「多次元二相流構成方程式に関する評価」調査専門委員会議事録

 

期日:平成151023日,13:00-17:00

場所:東京電力(株)技術開発センター会議棟3階共用第一会議室

出席者:片岡(阪大,主査),森(東電),松浦(原燃工),米田(電中研),堀田(テプシス),飛田(サイクル機構),坂場(三菱重工),秋山(三菱重工),秋本(原研),大貫(原研),藪下(CSAJ),荒木(NUPEC),後藤(東電),大川(阪大,記録者)

 

1.液滴流の構成方程式・データベース(松浦委員)

 二流体モデル,三流体モデルおよびラグランジ型の液滴追跡モデルを用いた環状噴霧流解析を対象として,構成方程式を用いた評価が必要となる物理量の整理結果が示された.また,数値解析上の重要性の観点から4種類の物理量(界面積濃度,液滴径分布,液滴付着率,液滴発生率)を抽出し,その各々について既存の相関式とデータベースの整備状況,現状の問題点および今後の高精度化方策に関する調査結果が報告された.さらに,今後の作業を進める上での基本方針が示された.

 本講演内容に関連して,(1)高温・高圧条件および大口径流路における既存構成方程式の信頼性,(2)液滴の流動化等これまで検討される機会の少なかった特異な物理現象の重要性等について議論が行われた.また,学会内に設置されている他委員会との連携の重要性を確認するとともに,構成方程式に関する調査を進めていく上でその適用対象の考え方について意見交換を行った.

 

2.サブチャンネルコードWG活動の方針

2.1 BWR条件(堀田委員)

 ワーキンググループの作業目標を整理した後,サブチャンネル解析の定義と数値的枠組みが示され,さらに軽水炉燃料設計における経済性向上と開発コスト低減を達成する上でサブチャンネル解析高度化が不可欠である旨が述べられた.この後,BWRサブチャンネル解析コードで必要となる構成式と既存のコードで使用されている相関式に関する調査結果が報告された.サブチャンネル解析で使用される構成式は多岐に渡ることから,予測精度を向上する上で特に重要となる支配因子の抽出が重要であること,および効果的な抽出の方法に関する考察結果が述べられた.

2.2 PWR条件(三菱重工,秋山氏)

 DNB熱流束を予測する上でのサブチャンネル解析の現状の位置付けが紹介された後,一般性を有する構成式を使用することにより長期的には実規模試験なしに炉設計を行い得る環境を整備することを目標とする旨が述べられた.また,満足できる予測精度を達成するためには,サブチャンネル内における多次元ボイド率分布および燃料グリッド後流における多次元流れの評価が必要であるため,多次元二相流構成方程式の整備が不可欠となることが指摘された.さらに,これらの多次元熱流動現象を支配する要素過程について考察し,ボイド率に着目して現象分類が行われた.

 上記講演に関して,PWR条件におけるDNB発生で重要となる物理スケールと限界熱流束状態の発生につながる物理機構について議論が行われた.また,フルバンドル試験実施に関する今後の展望およびクロスフローデータの公開性に関して意見交換した.

 

3.今後の進め方(片岡主査)

 本委員会の活動日程と報告書作成のための基本方針,スケジュール案および構成案が示され,了承された.

 

4.見学(電気史料館,熱流動第一実験室)

 隣接する上記施設の見学を行った.東京電力熱流動第一実験室では,BWR実機模擬小型高温高圧伝熱流動試験ループおよび内臓CRD軸受け試験装置等の紹介を受け,多次元二相流動現象との関連等について意見交換した.

 

以上