第7回「多次元二相流構成方程式に関する評価」委員会議事録

期日:平成15年12月18日,13:30-16:30
場所:三菱重工本社ビル305会議室
出席者:片岡(阪大),坂場(三菱重工),荒木(NUPEC),後藤(東電,森幹事代理),村瀬(INSS),松浦(原燃工),久保(関電,綿田委員代理),藪下(CSAJ),飛田(サイクル機構),成冨(三菱重工),桂木(三菱重工),梅沢(三菱重工),大川(阪大,記録者)

議題:

1.PWRの大破断LOCA解析コードにおける構成式及び適用範囲例(坂場委員)
 PWR大破断LOCA時に発生する重要事象と,これらの事象に内在される素過程の評価で重要となる二相流構成式に関する調査結果が報告された.大破断LOCA発生後の事象推移を,(1) 破断直後,(2) 破断後2−5秒,(3) 破断後5秒以降,(4) ECCSバイパス時,(5) リフィル過程,(6) 再冠水過程の6種類の過程に分割して整理した.各過程において,DNB後熱伝達やリウエット等の主要事象を抽出するとともに,二相流構成式との関連に関する考察結果が述べられた.さらに,MCOBRA/TRACコードをとりあげ,既存コードで使用されている二相流構成式に関する調査結果が報告された.特に,壁面熱伝達率とエントレインメント量については,構成式の開発根拠となった実験も併せて詳細な調査結果が述べられた.本講演に関し,高温壁における液滴発生過程,最小膜沸騰温度相関式の高圧条件における適用性等について議論がなされた.

2.1Dと3Dの構成方程式(藪下委員)
 TRAC-PF1コードで使用されている二相流構成方程式について詳細な調査結果が報告された.原子炉過渡解析で実績のあるTRACコードでは1Dおよび3Dバージョンが用意されているが,MOD1からMOD2コード移行時に1Dモデルと3Dモデル間の整合性および界面せん断力モデルと界面熱伝達率モデル間の整合性が飛躍的に改善されたことが強調された.また,上部プレナムにおけるボイド率相関式,CCFL相関式,再冠水時界面抗力モデル,その他特殊モデルについて考察結果が述べられた.本講演に関連し,TRAC-PF1コードの現在の開発継続状況,RELAPコードおよびTRACEコードとの関連,TRAC-PF1/MOD2コードのマニュアル整備状況等について情報を交換した.さらに,本委員会における構成方程式の適用範囲と予測精度の取扱いについて議論を交わした.

3.報告書作成方針について(片岡主査)
 来年9-10月を目処に報告書を作成することが述べられるとともに,報告書の目次案および執筆者案が示された.報告書は,全9章(1. はじめに,2. 原子炉過渡事象における気液二相流構成方程式,3. シビアアクシデントに関連した気液二相流構成方程式,4. 気泡流・スラグ流における構成方程式,5. 環状流・環状噴霧流・液滴流の構成方程式,6. サブチャンネル解析における構成方程式,7. 気液二相流の解析方法と構成方程式,8. 多次元二相流解析コード,9. おわりに)で構成する計画である.これに関連して,流動様式(4, 5章)とサブチャンネル解析(6章)に関する章間,あるいは原子炉過渡事象(2章)とシビアアクシデント(3章)に関する章間等で,記述内容に重複が生じる可能性があるとの指摘があった.このため,章間における記述内容の重複を避けるとともに整合性を損なわないようにするため,執筆者間で適宜連絡をとるとともに,幹事で調整を行うことで対応することとした.また,執筆者の担当箇所について適宜調整を行った.

以上