第8回「多次元二相流構成方程式に関する評価」委員会議事録

期日:平成16年4月19日,13:30-16:30
場所:東京電力本店204会議室
出席者:片岡(阪大),森(東電),奈良林(東芝),堀田(TEPSYS),坂場(三菱重工),綿田(関電),村瀬(INSS),荒木(NUPEC),藪下(CSAJ),米田(電中研),湊(日立),大貫(原研),飛田(サイクル機構),松浦(原燃工),阿部(筑波大),後藤(東電),大川(阪大,記録者)
配布資料:
8-1 「液膜流モデルによるドライアウト熱流束の予測について」
8-2 「液膜流のCHF解析と構成式」
8-3 「多次元二相流構成方程式に関する評価調査研究報告書」目次案
8-4 「報告書の作成と今後の委員会活動について」
8-5 「新規委員会関係資料」

議題:

1.液膜流モデルによるドライアウト熱流束の予測について(大川)
 液膜流モデルに基づく環状流中ドライアウト熱流束の予測に関する検討結果が報告された.液膜流モデルを用いた数値解析において,液滴付着率,液滴発生率,環状流開始点における蒸気クオリティおよび液滴流量比,ドライアウト発生条件を与える構成方程式の重要性が述べられるとともに相関式が例示された.既存の要素試験結果を用いて相関式の関数形およびパラメーターを定めることにより,広範な熱流動条件で取得されている単管CHFデータを±30%程度の精度で予測することが可能である旨が示された.また,液滴付着率測定試験の結果が述べられ,流路中に障害物を設置することにより液滴付着率が増大する可能性が示された.本講演に関連し,液滴発生開始条件付近における相関式の与え方,環状流遷移時における液滴流量比等について議論を行った.

2.液膜流のCHF解析と構成式(村瀬委員)
 気液二相流における液膜流れの数値解析について,ボイド率,界面摩擦,界面熱伝達に関する既存の相関式の調査結果が示され,課題の抽出が行われた.さらに液膜流れが関連する現象として,狭隘流路での沸騰熱流束と平均CHF,および非凝縮性ガス混合蒸気の膜状凝縮伝熱に関する調査結果が述べられた.また,この他の多次元二相流解析として,蒸気発生器二次側の沸騰二相流解析,BWRセパレーターの性能解析,BWRドライヤーの性能解析に関する知見が報告者の経験も含めて報告された.さらに,調査結果を今後のまとめていく上での方針として,既存の相関式で代表的なものを整理すること,委員相互でよく調整を行うこと,相関式の評価をどのように行うべきかについて考えが示された.本講演に関連し,ドライヤー解析等における液滴径分布の取扱い,ボイド率が広範にわたる場合の界面相互作用力の評価手法等について議論を行った.また,セパレーター,ドライヤー等の特定機器については,委員間相互の情報交換を密接に行うこととした.

3.今後の予定(片岡主査)

3.1 報告書作成方針について
 配布資料8-3に沿って報告書の目次案と執筆者案が示された.これに関連して,(1) 統計論的安全評価手法についてはPWRにおける過渡事象の項で述べること,(2) BWRにおける過渡事象の項ではBWRで生じる気液二相流動現象を整理するとともに,セパレーター,ドライヤー,ポンプ内流動等についても記述すること,(3) サブチャンネル解析の章では後の章と構成方程式が重複する可能性があるが,サブチャンネル特有のものを中心に記述とすること,(4) 新型炉では低減速炉を中心に執筆の予定であることが述べられた.また,多次元二相流の捉え方として,多次元コードで使用する相関式及び多次元熱流動現象を取り込んだ相関式との二つの立場から報告書を取り纏める必要があろうとの意見が出された.また,多次元二相熱流動現象については未解決の問題も多いことから,今後の課題についても記述の必要があろうとの考えが示された.

3.2 報告書作成スケジュール
 報告書の作成スケジュール等について以下のことが議論された.
(1) 報告書は,後日幹事より配布予定のテンプレートを用い,WORDで作成する.
(2) 各委員において,7月末を目処にドラフトを完成させる.8月中に調整を行い,9月中の発行を目指す.各節の分量は10ページ程度を目安とするが,これより多くなっても良い.

3.3 新規委員会
 学会としての標準策定を視野に入れた新規委員会の設置を検討中である旨が報告された.これについては,昨年秋の熱流動部会会員総会で、熱流動・構造解析・相似則を活用した「合理的原子炉機器開発調査専門委員会(仮称)」として提案されており,提案者である奈良林委員より,委員会の趣旨,メリット,技術分野,対象機器,キーワード,委員,予算,設置機関等について説明があった.広範な分野を対象としていることから,委員会のメンバーや設置形態等についてどのような方針とすべきかについて議論がなされた.この結果、本委員会メンバーを中心に新規委員会を立ち上げ,併せて,「合理的炉心伝熱・燃料開発調査専門委員会(仮称)」も同時立ち上げとする方向で,その組織運営や連携方法について片岡主査が三島先生と調整することとなった.

以上